[日常写真トップへ/トップページへ]

John Kerryの失言に対する在イラク兵士の反応↓(ボストンの無料タブロイド紙Metro11月2日第1面)
Halp us Jon Carry-We R stuck hear n Irak

中間選挙を控えてアメリカでは連日各候補のアピール合戦が報道されている。 その中で、John Kerry 上院議員(2年前に大統領選でブッシュに負けた人)が 失言をしたということは日本でも報じられている通り、かなり問題になっている。 何でも、カリフォルニアで生徒たちに「しっかり勉強しないとイラクに立ち往生することになりますよ」みたいな発言をしたとか。 それに対して、イラクにいるアメリカ兵の反応が上の写真。 兵士たちが戦車を背景に、横断幕を持って立っている。 横断幕には「HALP US JON CARRY-WE R STUCK HEAR N IRAK」と書かれている。 正しくはもちろん「Help us John Kerry-We are stuck here in Iraq」である。

アメリカ軍の兵士は命をかけて国に奉仕しているのに、彼らは学校の成績が悪かった人ばかりが 集まっているとバカにしたわけだから、Kerry本人が後に述べているように本当に愚かな発言だ。 しかし私が驚き感心したのは、当事者である在イラクアメリカ兵のこの余裕たっぷりの反応。 強いぞ。学校の成績が悪かったからイラクになんか閉じ込められてるんだ、と言われたので つづりを敢えて間違えまくった横断幕を作り、ケリーさん助けて!僕たち、しっかり勉強しなかったから イラクに閉じ込められてるんだ!というわけだ。 たぶん共和党からのどの反撃よりも痛烈。

それにしても、アメリカでは低学歴、低所得家庭の子女が軍に入るというケースは多いようだ。 アメリカは学歴社会なので(日本みたいにいい大学にさえ入ってしまえばそれだけで一生安泰というのとは違うが 大学を出ているかどうかは、就ける職種にダイレクトに影響する) 学歴のある親はお金もあるが学歴の低い親はお金も少ない。 アメリカは私立大学が主流で、学費は非常に高い。 資金が足りず大学に進学できないことも多いようだ。 その結果、低学歴の親の子供はやはり低学歴になる率は高く、 良い職業にもつきにくい。それで、 地方の低所得者が多く住む地域には、軍からリクルーターが出向くそうな。 兵士は学歴がなくてもそれなりの報酬が出る仕事なのだ。 上の写真が載っていた新聞の後ろの方の投書欄に、Poor, uneducated fighting the warsという投書があった。 内容は、「貧しい低学歴層が戦争を戦っている。アメリカ人はこの事実を認めたくないだろうが。 もしこの戦争がそんなに大事なら、なぜブッシュの娘やチェイニーの娘はイラクに行かないのか」という もの。さらに、 While the children of affluence blithely go about the business of college, parties and careers, the children of poverty and small town America are often fighting and dying in Iraq.とな。富裕層の子供たちが大学やらパーティーやら 専門職やらに楽しくかまけている間に、貧困層や地方の子供たちはイラクで戦い死んでいっている、ということだ。

2006.11.4


[前へ/次へ]

[日常写真トップへ/トップページへ]